【技術情報】二軸押出機のスクリューとスクリューフォーメーション

技術情報2025.03.12

二軸押出機におけるスクリュー設計の重要なポイント

L/D 比 (プロセス長)

L/D比はスクリュの長さ(L)とスクリュの外径(D)の比率を示し、押出機の仕様において重要な指標です。この比率が大きいほどスクリュ長は長くなり、材料はバレル内を長時間移動することになります。これにより、混練効率や化学反応の効率が向上しますが、エネルギー消費が増加する可能性があります。逆に、L/D比率が小さい場合はスクリュが短くなり、材料の処理時間が短縮されますが、混練効率や反応時間が不足する可能性もあります。

一般的な二軸押出機コンパウンドのテーマにおいては、L/D=40~60のプロセス長が選ばれることが多いです。滞留時間をより長く必要とするような反応押出においては、L/D=100以上のプロセス長の二軸押出機が選ばれることもあります。長い押出プロセスが必要のない押出成形においては、L/D=40以下の短いプロセス長の押出機が選ばれます。

L/D=150のテクノベル製小型2軸押出機


D/d 比 (スクリュ溝深さ)

D/d比は、スクリュの外径(D)と谷径(d)の比率を示します。この比率が大きい場合、バレルとスクリュ間の空間容積が大きくなります。しかし、その反面、混練効率が低下することがあります。D/d比は、処理する材料の特性や目的に応じて最適化されます。スクリュの設計には、深型や浅型など溝の深さによる分類とも言えます。溝の深さは混練性能に大きな影響を与えます。


スクリューエレメントの条数

二軸押出機にはさまざまな種類のスクリュエレメントが使用されますが、最も一般的なのは二条ねじのエレメントです。このエレメントは、適度な固体搬送能力を持ち、効率的なフィードが可能です。

一条ねじエレメントは、バレル内の空間容積が大きくなり、低せん断速度で搬送が行われるため、特にかさ密度の低い材料や、温度やせん断に敏感な材料に適しています。これにより、材料の品質を保持しながら安定した搬送が可能となります。

三条ねじエレメントは、ねじ溝が浅いため、同じ回転速度でも高いせん断力を材料に与えることができます。この特性により、せん断を必要とする材料の加工に適しており、また、せん断作用が向上し、材料の可塑化や溶融を促進する効果があります。特に高いせん断エネルギーが必要なプロセスや、迅速な混練・溶融を求められる場合に有用です。


スクリューフォーメーションの重要性

スクリューの構造について

二軸押出機のスクリュは、複数のスクリューエレメントをシャフトに装着するエレメント方式を採用しています。この方式は、スクリューの長さ方向に沿って個々のスクリューエレメントを連結します。

スクリューエレメントは、さまざまな機能を担っており、それぞれのエレメントが異なる処理を行います。たとえば、混練エレメントは材料を均一に混ぜるために設計されており、搬送用のエレメントは材料を前方へ移動させる役割を果たします。

これにより柔軟なプロセス調整が可能であり、エレメントを交換・配置することにより、処理条件に応じてスクリューの設計をカスタマイズできます。これにより、特定のプロセス要件に最適化されたスクリュー構造を構築できます。


それぞれのエレメントの特徴的な機能

スクリュエレメントには、搬送能力、充満、滞留、せん断作用といったさまざまな機能が求められます。例えば、右ねじれ形状のエレメントは前進搬送を行い、左ねじれ形状のエレメントは逆戻りの機能を持ちます。また、ねじれを持たないニュートラルエレメントは搬送能力を持ちません。

さらに、充満率や滞留時間に関しても、各エレメントによって機能が異なり、特に混練部の圧縮の影響を受けるため、エレメントの組み合わせにより、最適な性能が発揮されます。

せん断作用についても、エレメントの組み合わせと設計によって大きく異なるため、目的に応じスクリュフォーメーションの最適化が求められます。

混練の役割を持つニーディングエレメントにおいては、ディスクの厚みとチップクリアランスの隙間の大小による、分配混合や分散混合といった混練性能に与える影響はとても大きいです。そのため、ニーディングエレメントのディスクの段数も重要な仕様指標になります。

このように、二軸押出機のスクリュ設計は、材料の特性や求められるプロセスに応じて、さまざまな要素が調整されます。スクリューエレメントの選定は、最終的な製品の品質や生産効率に直結するため、深い知見や多くの経験が必要であり、慎重な設計が必要です。


スクリューフォーメーションの重要性

効率的な混練 一連のスクリュフォーメーションは、材料の均一な混練、特に分散混合と分配混合を達成するために重要です。例えば、ナノコンポジットや複合材料の製造において、均一な分散を実現するためには、高いせん断力を発揮できるエレメントを使用する必要があります。これが不十分だと、製品の物性が不均一になり、品質に悪影響を与える可能性があります。

プロセス制御 スクリュー設計において、エレメントの配置や種類を工夫することで、プロセスの温度や圧力を調整することができます。温度やせん断の影響を管理しながら、材料を安定的に処理することが求められます。たとえば、熱に敏感な材料や低せん断で処理したい材料には、せん断作用を抑えたエレメントが適しています。

生産性の向上 適切なスクリュフォーメーションを選定することで、処理時間やエネルギー消費を最適化できます。これにより、製造工程の効率化が進み、生産性が向上します。スクリューの設計によっては、より少ないエネルギーで高いスループットを達成できる場合もあります。


各テーマに合わせたスクリューフォーメーション

均一な混練や分散を求められる場合(例: ナノ材料や複合材料の製造)

混練部にニーディングエレメントやミキシングエレメントを設計することが最適です。これらは強いせん断力を加え、均一な分散分配や高い混練効率を提供します。ディスクの厚さやチップクリアランスが混練効率に大きな影響を与えるため、正しい配置が重要です。

長時間の滞留が必要な場合(例: 反応押出や長時間反応を必要とする場合)

L/D比が大きい長いプロセス長の押出機と、滞留時間を長く保つことが可能なエレメントを選定します。L/D比を大きくすることで、材料がスクリュ内でより長い時間滞留し、反応や混練が充分に行われます。また、滞留時間を長くすることで、より高い反応効率を得ることができます。


まとめ

二軸押出機のスクリュ設計は、材料の特性やプロセス要求に応じて複数の要素を最適化することが求められます。L/D比やD/d比を適切に設定することで、混練効率や反応効率を最大化し、エネルギー消費や処理時間のバランスを取ることが重要です。また、スクリューエレメントの選定も品質や生産効率に大きく影響します。特に、ねじの種類やピッチ、溝の深さなどの設計が、物質の流れやせん断作用、滞留時間に影響を与え、最適な混練性能を発揮します。スクリューエレメントの組み合わせを調整することで、目的に応じた最適な性能を引き出すことが可能となり、最終的な製品の品質向上と生産効率の改善に繋がります。したがって、二軸押出機のスクリュ設計は、慎重かつ精緻な調整が必要であり、プロセスに最適な設計を選定することが非常に重要です。


押出機専業メーカー テクノベルの二軸混練押出機

 

世界で初めての取り組みとして、水平方向多軸押出機を新たに開発しました。さまざまな分野にて、4軸混練押出機・8軸混練押出機をご活用頂いております。従来の2軸混練押出機においても、世界最小径の6ミリ径からベストセラーモデルの15ミリ径のユニークな小型モデルから生産向けの大型の装置まで幅広いラインナップを製造しています。




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