【技術情報】二軸押出機の分散分配混合

押出機における混練作用は、ポリマーを可塑化・溶融し、異種ポリマー、フィラー、添加剤を加え、均一な混練物を得る操作が求められます。そのため、２軸押出機の使用する際には、その加工プロセスにおける混練作用のメカニズムを把握することが重要です。

分散と分配

混練は大きく分けると分散混合と分配混合に分類できます。

ポリマーの混練過程には、フィラーやポリマーゲルを細かく分散させる分散作用と混練物を混ぜて組成の均一化を行う分配作用の2種類の作用があります。この二つの作用がバランスよく適切に行われることにより、異種ポリマーやフィラーを加えた均一な混練物を得ることができます。

分散作用は、剪断や伸長などの力を加えることで混練物を細かな粒子に分散させる作用です。この作用により、混練物内の粒子径が小さくなります。例えば、凝集力の強いフィラーや、一体化しやすい物質を解きほぐすためには、強力な分散混合が必要となります。

まず、分配作用は混練物をかき混ぜて、組成や物性のばらつきを抑える作用です。分配混合は伸長、分割や再配列することであり、系全体が複雑に流動していく過程です。これにより、混練物の構成が均一化し、ばらつきが減少します。

特にガラス繊維や炭素繊維など、形状を維持して機能を発現させるフィラーの場合、分配混合がとても重要になります。これらのフィラーは、材料内に均等に分布させることが重要であり、そのため分配混合が有効です。

分散作用と分配作用は、せん断流動場と伸長流動場で発生します。

溶融混練の分散混合は、材料がスクリュとバレルの間や2本のスクリュ間の最も間隙の小さい場所を通過する際に、材料に最大のせん断応力が加えられることで達成されます。このようなチップクリアランスを通過することで、材料に高いせん断応力が繰り返し加えられ、分散混合が進行します。

一方、分配混合には、複雑な流動場を生み出すための複雑な形状のエレメントが使用されることがあります。これにより、混練物がかき混ぜられ、組成の均一化が促進されます。

物質の流れは大きく分けて、せん断流動場と伸長流動場の2つに分類されます。上の図では、それぞれの流動場のイメージが比較されています。

せん断流動は、管内を流れる流れや、容器の壁面に沿って発生する流れで、速度分布が形成されます。一方、伸長流動は、材料が引き伸ばされる際の変形に対応し、溶融樹脂内で引っ張られて流動するプロセスに見られます。

押出機内の材料の流動も、「せん断流れ」と「伸長流れ」に分けられます。一般的には、二軸押出機ではせん断流れが主に寄与すると考えられています。しかし、伸長流動場も分散混合に重要な役割を果たすため、せん断流れだけでなく伸長流れも十分に考慮する必要があります。

【技術情報】二軸押出機とは

テクノベルの押出機、同方向型と異方向型ともに製造・販売しております。

テクノベルの押出機のラインナップは業界随一です。

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