【技術情報】二軸押出機の可塑化溶融挙動

技術情報2024.11.07

二軸押出機の可塑化溶融の重要性


二軸押出機では、二本のスクリュによる高いせん断応力によって生じる様々な発熱が主としてプラスチック材料に複雑に作用することによって、樹脂の可塑化溶融が進むと考えられている。この可塑化溶融過程は、押出機内の全体エネルギー消費の大半を占め、異なる種類のプラスチックやナノ粒子との分散の状態を左右する重要な要素です。

可塑化溶融のプロセスは、①塑性変形による発熱、②粘性消散による発熱、③摩擦による発熱、④ヒーターの伝熱による発熱、の4つのメカニズムに分類できます。特に、二軸押出機における固体搬送部と溶融部において、各メカニズムによる発熱が材料の溶融や加工性に影響を与え、それぞれの要素が複雑に絡み合ってプロセスの効率や最終製品の品質を左右します。

塑性変形による発熱

材料が塑性変形すると、内部の結晶構造や分子構造が変形し、その過程でエネルギーが消費されます。この消費されたエネルギーの一部が熱として放出され、特に強度が高い材料では顕著な発熱が見られます。二軸押出機でのペレット加熱にも同様の現象が生じ、ペレットが塑性変形しながら発熱し、溶融が促進されます。塑性変形による発熱は、材料が一定の温度や圧力で応力を受け続けることで発生し、溶融開始温度に達するまでに内部エネルギーを高める役割を担っています。

粘性消散による発熱

粘性消散とは、粘性の高い材料がせん断される際に内部摩擦が生じ、エネルギーが熱として変換される現象です。この現象は特に、ポリマーや高分子材料が押出成形される際に重要な要素で、せん断応力が高まるほど発熱量も増加します。粘性消散は二軸押出機での溶融過程においても重要な役割を果たし、ポリマーの流動性や押出機の内部温度の均一化に貢献します。

摩擦による発熱

材料やパーツ間で摩擦が発生すると、その摩擦によりエネルギーが熱に変わります。二軸押出機内では、ペレットや溶融体がスクリューやバレルと接触しながら相対運動を繰り返すため、摩擦による発熱が生じます。この摩擦熱は特に材料の初期段階の加熱に貢献し、ペレットが徐々に溶融体へと移行するプロセスにおいても重要です。

ヒーターの熱による溶融

押出機には通常、スクリューの周りに配置されたバレルにヒーターが設置されており、これらのヒーターによる伝熱が材料の溶融開始に必要なエネルギーを供給します。伝導伝熱は、外部のヒーターからスクリューやバレルを介してペレットに熱を伝え、材料を溶融に導きます。ヒーターによる伝熱は、加熱開始から材料が溶融体になるまでの過程で安定した温度管理を可能にし、溶融の初期段階では特に重要です。

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