【技術情報】単軸と二軸の違い

技術情報2024.10.24

単軸と二軸の違いはスクリュの本数だけではなく、輸送・推進原理やセルフクリーニング、押出安定性や材料投入と異なった特徴を持ちます。押出機の輸送・搬送原理について、単軸押出機や同方向二軸押出機では、材料搬送は右ネジとナットの原理に基づき、摩擦力で材料を前方に押し出します。同方向二軸押出機では、スクリューが互いに噛み合い、ワイピング効果によるセルフクリーニングで材料を効率的に搬送します。異方向二軸押出機では、カレンダー効果によって強制的に材料が前方に搬送されます。これらの押出機では、材料の安定的な供給と搬送を実現するために、それぞれ異なるフィード方式が採用されます。

輸送・推進原理

右ネジとナットの原理

単軸押出機同方向二軸押出機における固体材料の前方搬送は、右ねじに取り付けたナットの動きと似たように説明できます。ナットを手で固定しながらボルトを回転させると、ナットはボルトに沿って前方に移動します。この場合、押出機のスクリューはボルトに、プラスチック材料はナットに相当します。押出機内では、ナットを押さえて動かす力に相当するのが、プラスチック材料と押出機の摩擦力です。この摩擦力により、プラスチック材料はバレルの内壁に固定され、スクリューが回転することで前方へ押し出されます。このプロセスにより、プラスチック材料がスクリューに沿って搬送され、次の加工ステージへと進められます。

ワイピングによる前方搬送

特に、同方向二軸押出機の場合、ワイピングによるセルフクリーニングにより、完全嚙み合いの部分でスクリューが互いに材料を削り取ることにより、材料が共回りすることなく、材料は前方に搬送されます。材料の滞留を最小限に抑えることにより、効率的に材料を搬送します。

カレンダー効果

異方向二軸押出機の場合、構造上スクリュが相手のねじ山によって埋まっていることから、カレンダーロールやギヤポンプのような原理によって材料はそのまま、前方に搬送されます。機械構造上、強制的に前方に材料が強力に搬送されます。

 

セルフクリーニング効果

同方向二軸押出機におけるセルフクリーニング

二軸押出機のセルフクリーニング効果は、その設計特性による重要なメリットの一つであり、材料の滞留を最小限に抑え、効率的な材料の搬送と混練を実現します。これにより、製品の品質安定性が向上し、機械内部の汚れや材料残留を減らすことができます。

特に同方向二軸押出機では、スクリュー同士が噛み合う設計になっており、材料がスクリューのフライトに詰まったり蓄積したりするのを防ぎます。スクリュー同士噛み合って、回転することにより、材料が一方のスクリューからもう一方のスクリューに絶え間なく移動し、これによりセルフクリーニング効果が発揮されます。スクリュー周りの材料が常に動き、滞留することが少なくなります。

 

押出安定性

単軸押出機の押出安定性

単軸押出機は押出機の圧力や吐出が比較的安定していますが、これは材料の流動性やスクリュー設計によります。ただし、材料や運転条件では圧力が変動しやすく、その場合は安定性が損なわれる場合もあります。

二軸押出機の押出安定性

二軸押出機では、押出の吐出量を高精度に安定させるためにはギヤポンプが必要となることがあります。特に高精度な定量押出が求められる場合、ギヤポンプを使用することで、圧力や吐出量を制御することが可能です。

 

脱揮性能

二軸押出機が単軸押出機と比較して脱揮効率に優れている理由は、スクリュー間での高い混練効果により材料が均一に加熱され、大きな表面積が揮発成分の効率的な蒸発を促進する点や、スクリュー設計の柔軟性を活かした最適な脱揮ゾーンの設置によって、揮発成分を効率的に除去できるからです。

 

材料投入

単軸押出機では、固体輸送区間が材料で完全に充填されるため、通常、フィーダーを使用せずにホッパーに直接プラスチック材料を供給します。これに対し、二軸押出機のフィードプロセスでは、材料の供給にフィーダーの使用が必須となります。

 

その他の二軸押出機の特徴

混練能力が高く、複数材料の混練に適する

2本のスクリューが相互に影響を与えながら材料を移動させるため、効率的に材料を混練し、分散・分配させることができます。これにより、複数の材料を均一に混ぜる能力に優れています。複合材料やナノ材料などの材料も均質に混練され、高品質の混合物が得られます。

高いせん断応力

スクリューの設計や配置により、材料に強いせん断を加えることができるため、高粘度の材料や溶融が難しい材料でも効率的に処理することが可能です。特に反応押出や、樹脂の混練などで利用されます。

プロセス途中での材料投入が可能 (サイドフィードや液体添加)

押出プロセス中に、固体材料や液体を途中で追加投入することが可能です。例えば、サイドフィードを利用すれば、異なる段階で材料を追加することにより、複数の材料を二軸押出機を用いることで、効率よく混練できます。また、液体添加も同様に可能で、添加剤や潤滑剤、反応剤をプロセスの最適なタイミングで加えることで、特定の製品特性を実現します。

 

二軸押出機のスクリュの回転方向による違い

同方向二軸押出機では、スクリュー間でのせん断が大きく、混練が強力に行われます。特に、複雑な材料の均一な混合や高い混練性能が求められる場合に優れています。異方向二軸押出機は、同方向に比べてせん断が低く、材料に与えるストレスが少ないため、せん断発熱を避けたい材料の加工に適しています。PVCのようなせん断発熱を避けたい材料の加工に適しており、特に低速で安定した押出が求められる用途に活用されます。

 

押出機専業メーカー テクノベルの二軸押出機

テクノベルの押出機、同方向型と異方向型ともに製造・販売しております。

テクノベル 同方向二軸押出機 https://www.technovel.co.jp/products/product01/

テクノベル 異方向二軸押出機 https://www.technovel.co.jp/products/product06/

 

大阪の押出機専業メーカー 株式会社テクノベル

テクノベル製の押出機のラインナップは業界随一です。

テクノベル ウェブサイト https://www.technovel.co.jp/

テクノベル 押出機のラインナップ https://www.technovel.co.jp/products/

 

 

 

 

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